測定精度試験について


【目  的】
個線協では、メンバー各社の測定精度が維持されていることを確認する為に、定期的(年4回実施)な測定精度試験を実施しています。 試験項目としては、線量の測定にとって特に重要である「エネルギー特性」、「線量直線性」及び 「測定業務の安定性」について試験を行い、この試験結果に基づき、測定技術の維持向上に努めています。



【照射試験の手順】
この試験は次ぎのように行います。



【試験内容】
個人線量計の測定精度を評価するのに次の内容の試験を行っています。
@エネルギー特性確認試験
個人線量計は多種多様なお客様が使用されており、測定対象の条件(線種やエネルギーなど)も様々です。 この試験では様々な測定対象の条件において、適正に線量が測定されていることを確認します。試験内容については表-1を参照下さい。

表-1 エネルギー特性確認試験内容

線種

エネルギー又は使用線源

試験点数

試験線量の目安

X線

35 〜 140 (keV)

左記条件
から4

1 〜 2 (mSv)

γ線

137Cs、60Co

各1点

1 〜 2 (mSv)

β線

90Sr-Y

1

1 〜 2 (mSv)

中性子線

熱中性子

252Cf 黒鉛パイル

1

0.1 〜 0.5 (mSv)

速中性子

252Cf、241Am−Be

各1点

1 〜 2 (mSv)



A線量直線性確認試験
個人線量計は最小検出限界の0.1(mSv)から年線量限度の 20(mSv)までの線量を最低限測定できなければなりません。 この試験は各々の線種毎に代表的なエネルギー又は線源を用いて照射を行い、適正に線量が測定されていることを確認します。試験内容については表-2を参照下さい。

表-2 線量直線性確認試験内容

線種

エネルギー又は使用線源

試験点数

試験線量の目安

X線

35 (keV)

3点

0.1 〜 20 (mSv)

γ線

137Cs

3点

0.1 〜 20 (mSv)

β線

90Sr-Y

3点

0.1 〜 20 (mSv)

中性子線

252Cf

3点

0.1 〜 20 (mSv)



B測定業務の安定性確認試験
個人線量計は日々の測定業務が安定して行われていないと、同じ線種・線量を照射しても同じ測定結果が得ることができず、測定結果の信頼性がなくなります。 この試験では年4回行う照射試験において、毎回、基準となるγ線を照射して測定が安定していることを確認します。試験内容については表-3を参照下さい。

表-3 安定性確認試験内容

線種

使用線源

試験点数

試験線量の目安

γ線

137Cs

1点×4回

1 〜 2 (mSv)