測定精度試験について(2019年度以降)

 

【目  的】 

 個線協では、メンバー各社の測定精度が維持されていることを相互確認する為に、定期的(4回実施)な測定精度試験を実施して参りました。
 しかし、201871日に公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)によるISO/IEC 17025に基づく個人線量測定分野の認定制度が発足し、個線協メンバー各社は認定を取得するか認定を取得した会社に測定を委託することで、測定の信頼性を確保しており、線量計の測定精度は定期的なJABによる外部審査と日本電気計器検定所 (JEMIC)による技能試験で確認がなされています。
 そこで、2019年度より、メンバー各社が全て同じ条件で年4回行う精度試験を改め、ISO/IEC 17025が要求している「結果の妥当性の確保」のために、各社が運用するマネジメントシステムに合わせて、任意で必要な試験に参加できる制度に改めました。

このように、測定の信頼性が認定取得により担保されていること、毎回の試験に必ずしも全社が参加している訳ではないこと、妥当性の判定基準が各社のマネジメントシステムに委ねられていることから、2019年度以降は結果の取り纏めと公表は致しません。

 

【照射試験の手順】

この試験は次のように行います。

【試験内容】

個人線量計の測定精度を評価するのに次の内容の試験を行っています。(2019年度実績)

     

試験番号

線種

エネルギー(線源)

角度

種別

1回照射

1

γ

137Cs

60°

体幹部用

2

γ

137Cs

末端部用

3

β

90Sr/90Y

40°

体幹部用

4

β

90Sr/90Y

末端部用

2回照射

5

γ

137Cs

60°

体幹部用

6

γ

137Cs

末端部用

7

速中性子

252Cf

60°

体幹部用

8

熱中性子

Nth

体幹部用

3回照射

9

γ

137Cs

60°

体幹部用

10

γ

137Cs

末端部用

11

X線

30keV 200keV

60°

体幹部用

12

X線

30keV 200keV

末端部用

 

l  各社は年3回計12条件(2019年度実績)で実施される試験のうち、1条件から参加できます。

l  安定性確認のため、年3回の開催時期を分散しています。

l  照射量はブラインド(試験中の照射量未通知)としています。

l  X線についてはエネルギーもブラインド(試験中のエネルギー未通知)としています。

l  照射角度は、角度欄に記述された角度の範囲内でブラインド(試験中の照射角度未通知)としています。

l  照射は、ファントム照射としています。(X線・中性子:PWγ線:P-40PMMA19mmφβ線:PMMA20mm厚,PMMA19mmφ

l  試験する実用量については次のとおりです。

体幹部用のXγ線・・・1cm線量当量及び70μm線量当量

末端部用のXγ線・・・70μm線量当量

中性子・・・1cm線量当量

β線・・・70μm線量当量

l  照射条件や試験回数は試験所(放射線計測協会)やメンバー各社の都合により変更になる場合もあります。