法令改正に伴う眼の水晶体のモニタリングについて

 

放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則等が改正され、眼の水晶体の等価線量限度が150mSv/年から50mSv/年かつ100mSv/5年に引き下げられました。これに伴い、眼の水晶体の等価線量を算定するための線量測定の部位として眼の近傍が、測定値として3mm線量当量が追加されました。

 表1は、一般社団法人日本保健物理学会発行の「眼の水晶体の線量モニタリングのガイドライン」の示す水晶体等価線量の算定方法を決定するためのフロー図を基にした眼の水晶体のモニタリングガイドです。

 

1:眼の水晶体のモニタリングガイド

被ばく形態

眼の水晶体の線量

体幹部線量計
装着部位

眼の水晶体の算定方法

体幹部均等
被ばく

眼の水晶体の等価線量が管理基準1を超える恐れがない

・基本部位
(胸部もしくは腹部)

体幹部基本部位に装着した個人線量計で測定したHp(10) 2又はHp(0.07) 3のいずれかの値の高い方を眼の水晶体の等価線量とする。

眼の水晶体の等価線量が管理基準1を超える恐れがある

・基本部位
(胸部もしくは腹部)
・眼の近傍

眼の近傍に装着した個人線量計で測定したHp(3) 4を眼の水晶体の等価線量とする。

体幹部不均等
被ばく

眼の水晶体の等価線量が管理基準1を超える恐れがない

・基本部位
(胸部もしくは腹部)
・最大部位

眼に近い部位に装着した個人線量計で測定したHp(10) 2又はHp(0.07) 3のいずれかの値の高い方を眼の水晶体の等価線量とする。

眼の水晶体の等価線量が管理基準1を超える恐れがある

・基本部位
(胸部もしくは腹部)
・最大部位
・眼の近傍

眼の近傍に装着した個人線量計で測定したHp(3) 4を眼の水晶体の等価線量とする。


1:管理基準とは、眼の水晶体の等価線量限度を遵守するために、事業者が個々の事業所の状況を考慮して自主的な判断で設定する眼の近傍でのモニタリングを開始する線量です。
管理基準については、一般社団法人日本保健物理学会

「眼の水晶体の線量モニタリングのガイドライン」例題3を参照ください。

2Hp(10)1cm線量当量

3Hp(0.07)70μm線量当量

4Hp(3)3mm線量当量